発達支援と療育(第1報)

私が医療畑から児童福祉の世界に身を置いて既に1年半経過しました。以前にも書きましたが、児童福祉の現場で働いている理学療法士は全国で100名弱(令和4年4月現在)、割合としては0.07%です。したがって、理学療法士の世界では児童福祉の情報がほとんど聞こえてきませんでした。
いざ身を置いてみて児童福祉の世界で感じたことは、「言葉の解釈があいまい」という事です。
その中で特に「発達支援」と「療育」という言葉がたくさん使われているにも関わらず、解釈が一定ではありません。
そこで自分なりに色々な文献や信頼おける書籍で「発達支援と療育」の関係を調べてみましたので、皆様にお伝えしようと思います。今日はその第1報です。

インターネットで「発達支援 療育」で検索すると、「発達支援と療育は同じ意味(同義語)として使われています。」と書かれています。
元々インターネットで書かれている情報はそこまで信用していませんので、「ほんとかな?」と思っていました。そこで発達支援の本を購入し、有料の文献検索サイト(大学等の研究機関で使われるもの)で文献を閲覧したところ、やはり違っていることがわかりました。
正確には、「療育は発達支援の1つのテーマ」ということでした。
少し詳しく書きます。

この図は私が簡単に発達支援を説明したものです。
発達支援とは
「障害のある子ども(またはその可能性のある子ども)が、地域で育つ時に生じるさまざまな課題を解決していく努力のすべて」と定義されています。
その努力のテーマとして、①「人の育成(子供の個の育成)」②「家庭生活への支援(家族支援)」③「地域の変革(地域支援)」という3つがあります。
それでは療育は何か?ですが、まさに①の「人の育成」の部分に該当します。
子供達の持っている能力を最大限引き出すとともに、成人期に向けて主体性を伸ばしていくことが療育の基本です。集団での関わりも重要ですが、子供個人にスポット当ててその子の「できること」を増やすことが重要と考えます。
したがって療育は「個の成長」をサポートすることであり、集団での活動においても、集団の中で個人がどの様に対応していくかという「個」にフォーカスすることが重要です。言い換えると、療育における集団活動は、「個」を成長させる手段であるということです。

そして、発達支援は療育だけでは足りないということが分かります。あと2つの家族支援と地域支援があって初めて成立するということが分かります。

今日は以上です。次回(いつになるか分かりませんが)は家族支援と地域支援について書いてみたいと思います。

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