股関節について

重症心身障害のお子様にとっての悩みの一つに、股関節の形成不全による股関節脱臼があります。
今回は股関節の脱臼と脱臼の予防について少しだけ書かせて頂きます。

股関節脱臼とは、大腿骨頭(凸の部分)が関節窩(骨盤の凹の部分)から完全に外れている状態のことを言い、亜脱臼とは一部が外れていることを言います。
重症心身障害児の股関節が脱臼するパターンとしては、股関節を曲げた状態で膝が身体の内側に入る状態で股関節が脱臼しやすいです。具体的には、膝を曲げて横向きに寝る姿勢や仰向けで膝の下に枕を入れずに膝を曲げた状態で寝る姿勢などが挙げられます。特に膝が内側に入る姿勢は良くない姿勢です。
したがって、寝ている時には常に「膝が内側に入っていないか」観察してください。横向きで寝ている時は、膝の間にクッションなどを挟みましょう。仰向けの時は膝を曲げて膝の下に枕を入れるなどの対応をしてください。
それともう一つ重要なのは、股関節周りの筋肉の硬さです。
特にハムストリングスと呼ばれるモモ裏の筋肉が硬くなると、股関節が脱臼しやすくなります。
モモ裏の筋肉が固くならない様に、また、短くならないようにストレッチが必要です。ここで注意して頂きたいのは、単にストレッチをすれば良いのではありません。すでに股関節脱臼や亜脱臼があるお子様に対して無理にストレッチを行うと、実は脱臼を悪化させてしまいます。
これには専門家のアドバイスが必要となります。

ウェルスマイルを利用して頂いているお子様の中にも股関節に問題を抱えているお子様が多いです。一般的には今説明した事が原因ですが、個人によって特徴が違います。
現在、長期的な視野で股関節が脱臼しないようにアプローチをしています。
股関節の事でご質問がある方は、是非スタッフまでお声がけください。予防策や自宅での注意点などをご説明させて頂きます。

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