今日はネガティブな題名ですが、ちょっと重要な(興味がある?)話題です。
ウェルスマイルの個別療育では「座る・立つ」ことを積極的にやったり、寝ている時間を少なくする活動をしています。
今回はその理由について説明します。
ところで皆様は「廃用症候群」という言葉を聞いたことがありますか?ほとんどの方が聞いたことがあると思います。簡単に説明すると、寝ていて活動が少ないと心肺機能や筋力が衰えてしまうことです。
高齢者でよく使われる言葉ですが、重症心身障害のお子様にもこれは当てはまります。
上の図は「廃用症候群」になってしまうメカニズムです。
例えば肺炎などを起こして病院に入院した事を例に取って説明します。
入院すると肺炎の治療が最優先ですので、肺炎が治るまでは「動かさない(動かない)」ことが鉄則です。動かさないと当然心肺機能が低下します。これは私たちも一緒で、運動していた時は沢山動けたけど、運動をやめたら動けなくなったという話をよく聞きますが、これも一種の「心肺機能低下」です。
心肺機能が低下すると、以前と比べて「動けなく」なります。以前と比べて動けなくなると、動かない時間が増えます。
動かない時間が増えると、さらに心肺機能が低下します。・・・・・・
これが負のスパイラルです。
どうしたら良いでしょうか?
答えは単純です。「少しずつ動く」です。
体調やバイタルサイン(心拍数・血圧・呼吸の状態など)に注意しながら、毎回少しずつ「動く」ことが重要です。
それではどれくらい時間座れば良いか?という疑問も出てきます。その子の体調を見ながら無理のない範囲の運動を行うことができるのが「医療職(看護師・理学療法士)」です。
重症心身障害児対象の放課後等デイサービスには、国の基準(法律)で看護師とリハビリテーション専門職の設置が必須です。事業所に看護師とリハビリテーション専門職が居ないと事業所を開設できません。これは、放課後等デイサービスは療育を行う場所という事と、体調が変わりやすい重症心身障害児の対応を適切に行う事が理由です。
一人ひとりのお子様が日中の活動に参加できるだけの体力を保ち、少しずつ活動量を上げていく事も放課後等デイサービスの使命と考えています。とは言え、ウェルスマイルでは無理矢理活動して返って疲労を誘発する様なことはしていません。それは医療職である私達がいますので安心してください。
ウェルスマイルは、お子様の生活のことを考えて支援をしています。